Saturday, July 16, 2011

ドラフト入門: 近年の傾向

母はここ一年くらいご近所のお友達に織を「教え」させていただいているそうです。時折、母の手持ちの毛糸を減らすために加担していただいているのかな、なんて思ったりもしますが、母も皆さんが見えるのをとても楽しみにしているし、母の織の面でもとても良い刺激だし、父も後のお茶に参加させてもらうのが唯一の定期的な社交の場なので、両親にとっては良いこと尽くめです。

ただ、一年たっても「先生」の指示通りの真似っこだけでは、私だったら飽きてしまうだろうなあと思い、そろそろドラフトの書き方、読み方を紹介してはと提言して見た所、母の反応がいまいち! 一念発起して、この場で私が資料を用意したら楽かなあと思って、このミニ・シリーズを書き始めました。出来る限り完結に、今のところ4回に分けて、予定しています。日本では通常どのような形でドラフトが作られているかわかりませんので、ご意見、ご支持、お気軽にコメントください。また、日本語の変なところもお気軽にご指摘ください。

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織の世界でドラフトというのは、いわば織のための設計図のようなものです。比較的近年まで織の本、資料、お教室などで、作者・織手・先生が好きなように図解していました。文献で見るとスウェーデンがいち早く記載法を統一したよう見えます。80・90年代に、織の世界で、特にアマチュア、アート/クラフト作家のレベルでの国際化が進むにつれ、織り方の記載法(=ドラフト)、及び織に関するボキャブラリーの統一が自然発生的に進んできたように思えます。(ただし、ボキャブラリーについてはいまだに業界とアマチュア・小規模の作家の間、英米間に隔たりがあるように思います。)

私は95年頃から織を始めたので、これ以降のことしか知らないのですが、この傾向の要因として以下の3点が考えられます。

1)90年代以来、特にアメリカでコンピュータ制御の、工業用でない、家庭で使える比較的小型の機が普及し始めるにつれ、コンピューターでドラフトを作るのが流行り始めました。ドラフトを作るプログラムはいろいろ出ていますが、いち早く違うプログラム同士でも同じドラフトが読んだり書いたり出来るようにと、数多くのプログラムはそのプログラム特有の形態と、どのプログラムでも読める「WIF」というファイル形態が使えるようになっています。

2)アメリカで、いまだに出版を続けているコロラド州のInterweave社を含めて絶版になった織の本(イギリスのものも含める)を復刻したり、スウェーデンの本の英語版を出版したりと出版の世界で織りのアメリカ化が進みました。ただ、これは90年代後半から今世紀初めの5年くらいが最盛期だったようで、この頃は90年代の本まで絶版が続出しています。

3)織の世界ではいち早くインターネット上で会話が広げられ、1995年には既に北米で一番大きかったMajordomoではアメリカ、カナダ、イギリス、スコットランドのみならず、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ、及び英語圏外から200名(くらいだったかなあ、もっとだったかなあ)を超える参加者が毎日織りについての情報交換をしていました。インターネット上の会話はMicrosoft Windows 95の出現を機にアメリカ以外の英語圏での米語化に一段と拍車が掛かり、織の会話もインターネット上の英語圏、少なくとも世界に窓口を開けていた場では絶対的多数のアメリカ人に合わせてボキャブラリーも米語に訳さないと話が通じないという場面も多々あり、結局米語化が進んだような記憶があります。ただし、いまだにアメリカ内でも完璧に統一されているわけではないようです。

では、具体的にドラフトを見ていきましょうか。

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